2021年の当会活動をご報告します。
3月にバングラデシュの首都ダッカで、NPOの小学生用絵本の翻訳が終わり、4000部が印刷されました。4月にはダッカ大学とドイツのNGO Bread for worldの下部組織ウナヤン・ダラの事務所に絵本が保管され、当初の目的であるShailkupa地区と Jhenaidah地区の24の小学校(生徒数約4300人)に絵本を配布する準備ができました。
しかし、コロナ感染拡大によるロックダウンで全国の学校は休校していましたので、可能な限り戸別訪問による配布を行いました。この配布作業は、ウナヤン・ダラのスタッフの協力で行われました。
10月にはロックダウンが全面的に解除され、学校も再開されますので、小学生用の衛生絵本の配布方法や衛生教育の進め方について小学校教員と協議を進めています。この絵本の配布と共に、石鹸やタオルの配布についても検討して欲しいという要望がありました。
小学校教員は、衛生教育の絵本の読み聞かせは初めての経験ですので、単に読み聞かせるだけでなく、児童に内容を理解してもらうためのプレゼン資料もつくりました。
7月に、タイのサラブリの複数の小学校に手洗いとマスクの脱着方法を教えるNPOのポスターが配布されました。
現地の協力者が翻訳し、小学校に配布してくれましたが、NPOの活動に謝意を表すポスターも作ってくれました。小学校では、トイレ、屋外の手洗い場所にポスターが貼られ、正しい手洗いを実践しています。
食中毒防止だけでなくコロナ感染防止にも役立ててもらいたいです。
ミャンマーのヤンゴンでも、現地協力者によってNPOの小学生用絵本の翻訳が進んでいましたが、2月の軍事クーデターで印刷が出来なくなりました。その後も事態は改善することなく半年が過ぎ、民主勢力側が軍に宣戦布告する険悪な状況になりました。しかし、大都市のヤンゴンやマンダレーでは、経済活動の困難はあるものの、平穏な生活が戻りつつあるようです。しばらく様子を見て、現地での出版のチャンスを待ちます。
昨年、絵本の読み聞かせを始めたヤンゴンのクマララマ僧院の孤児院の子供たちは、安全確保のために親戚に引き取られました。しかし、まだ30人程度が残っているようですが、元気に暮らしているという情報を頂きました。
新たに、5月からスリランカの幼児教育に特化しているNGOと連携することになりました。このNGOはウベ州モナラガラ県の575園の幼稚園園児13,987人の教育指導をしています。日本から送信した絵本を現地の生活や文化に即したものにする計画が提案され、スリランカ政府の専門員や保育士、栄養士によるチームで創作することになりました。コロナ感染により、作業は思うように進んでいませんが、新しい取り組みに期待しています。
以上は海外での活動ですが、日本でも日の出医療福祉グループのご協力で、衛生教育絵本第2作が作られ関東地域のこども園や保育園でプレゼントされ、日時用生活に役立っています。今後も園内の衛生教育として定着することを期待しています。
ワクチン接種の拡大でコロナ感染収束が期待されますが、海外渡航や物流システムが平常に戻れば、現地での衛生教育の普及と共に、検証も行いたいと思います。
東南アジアや南アジアも経済と教育の発展が進み、インフラ整備も充実しますが、かつての日本のように下水処理施設、ごみ収集、公害といった衛生面は遅れるのが現実です。
これからは地球温暖化の影響もあり、世界規模の食中毒の危険性はますます高くなってきています。そうした中で、小さいときから衛生教育を受けて、自分の健康を守る知恵を身に着ける運動を今後も推進していきます。