2020年はコロナウイルスの世界的な拡散で残念ながら海外渡航もできず、6月からは国際郵便も停止の状態となっています。
 これにより、当面絵本の郵送は困難となったため、方針を切り替え、現地で絵本を翻訳し出版するというスタイルで活動を進めていくことにしました。

 一方で、衛生教育のさらなる拡大を目指すため、対象者を従来の幼児から小学生にも広げ、新たに小学生向けの衛生教育絵本の制作を開始し、SPヒロ デザインの廣岡智樹様のご協力のもと、2020年12月に完成しました。
 この絵本はバングラデシュ、ミャンマー、カンボジアの支援団体での翻訳が進められています。

子供のための衛生教育絵本(本文抜粋)

「子供のための衛生教育絵本(20ページ)」は子供たちの教育現場で、広く衛生教育に用いていただくために制作しました。教職員あるいは団体の方にはデータをお渡し可能です(改変・2次配布)。
活用を希望される方は問い合わせフォームからお問い合わせください。

 そうした現地での翻訳や推敲のなか、ミャンマーの支援団体からは、子供たちがミャンマー特有の制服を着た絵の挿入ができないかの依頼があり、修正を重ねミャンマー版絵本が出来あがっています。これをヤンゴンで出版し、市内の小学校に順次配布する予定です。

 また、バングラデシュでは、ダッカ大学の衛生学の教員が講演で本会の絵本を紹介したところ、現地の赤十字社(赤新月社)が興味をもち、絵本を各学校に紹介してくれることになりました。さらに、ドイツのNGO 「Bread for world」の下部組織のスタッフの協力のもと、Shailkupa地区と Jhenaidah地区の24の小学校(生徒数約4300人)に絵本を配布し、衛生教育を行う準備が整えられています。絵本はダッカでも出版される予定です。

2021年の予定

 私たちは現地での衛生指導が困難な状況が当分続くと考え、これらの絵本を現地の教員が読み聞かせするときに役立つ教員用の手引書とスライドも作成しています。既にバングラデシュのNGOのスタッフとダッカ大学の教員が翻訳を済ませており、2021年から教員の研修と絵本による衛生教育が始まることになっています。

 2021年も厳しい渡航制限が続くことが想定されるので、2020年の小学生向け絵本作成に続き、現地出版用の手洗いのポスターや衛生教育用のカレンダーを制作し、食中毒防止だけでなくコロナ感染予防にも貢献できるように対応していこうと思います。